ー家ー

コンコン

「あら?誰かしら?」


亜寿華の母親が戸を開けるとそこには、深い傷を負った男と数年前に黙って家を出て行った亜寿華がいた


「…聖哉を…助けて…」

「…っ……入りなさい」


部屋に上げ傷の手当てをして聖哉を布団に寝かせた


「で…どういうこと?何故家を出て行ったの?」

「……私は、家を出て行った日…人を殺した…」

「……えっ……自分を守るためじゃなくて?」

「確かに、自分を守るためだったかもしれない…」

「じゃあ」

「でも、人を殺したのに変わりない…それから自分が怖くなった…あなたと居たら殺してしまう気がしてならなかった…だからこの家を出た」

「……………そう、で?今は何をしているの…」

「今は…傭兵をしている…」

その瞬間頬を叩かれた



「……………」

「今すぐやめて帰って来なさい!!」

「やめません……」

「何故?女のあなたが戦場に出る必要ない!それに…傭兵なんて…人殺しと一緒じゃない!」

「………そぉかもな…」

「………っ……」