「誰かと思えば、悠斗か……。」
低くて殺意のこもった声。
「…………。あれ…?なんで姐(あね)さんが………。」
悠斗は空気の冷たさを今感じた…。
「常々、その邪魔な筋肉を落としてやろうと思っていたんだが…。」
チャキっと左手で刀を抜く。
その刀身は黒く、そして菫の黒いオーラに反応するように鈍く光る…。
「た、助けてくれませんか…………。」
悠斗の体から汗が噴き出す。
「そうだな。選択肢をやろう。1つ、その邪魔な筋肉を切り刻む。2つ、切腹。3つ、男の大事なモノを………。」
ゆらり、ゆらりと悠斗に近づいく。
「だ、大事なモノを何ッスか!?」
ピタッと菫が止まる。
「聞きたいか………?」
「一応…。選択肢として聞いておきたいので……。」
菫はニヤリと笑いながら……。
「………切り落とす。」
「あ……ぅ………。」
バタンッと悠斗が白目で口から泡を吐きながら倒れる。
カチャっと刀を鞘に戻すと同時に、菫の黒いオーラが消える。
「さて、このゴミはどうしようか…。」
「お、俺が連れて帰ります!」