強盗さんは太ももを掴んでいた手を更に上に上げてきた。



「…っ」



「痛ぇのは最初だけなんだ。辛抱しな」




「イヤ!ウソよ!
こんな事…絶対イヤぁ!」





「………っ」



強盗さんは熱のせいか一瞬ふらつきを見せた。


その隙に私は両手で精一杯強盗さんの身体をドンと押した。


どうせ私の力じゃ適わないとは思ったけど…



「っ」



しかし強盗さんは押した私の横に倒れ込み、その隙に私は起き上がって小屋のドアまで後ずさって逃げた。



「……………っ」



「……………」




強盗さんは床に手をついたまま起き上がろうとはせず、下を見ている。



…具合、悪いのかな。

さっきの行為で熱がぶり返したりなんて事…



「何やってんだ!
今が逃げるタイミングだろうが!
バカかお前は!」



目も合わさず強盗さんは私に言い放った。



驚いてビクッとなった私は、隅に置いてたショルダーバッグを拾い走って小屋を出た…!