「あ、服乾いたから持ってきたんだよ。自分で着れる?」



「当たり前だろ。そこ置いとけ」



「うん。
あ、汗かいちゃってるから先に身体拭かなきゃだよね。
タオル、どこだっけ?」



「わかってるよ!
自分でやるから放っとけよ」



畳んだ服を床に置く私に強盗さんはピシャリと言い放った。


突然大きな声を出す強盗さんに驚いて思わずビクッとなる。



「…そんなにヒドく言わなくても…」



「服も着れたし雨も止んだんだろ?
だったらお前はもうここに居る必要ねぇだろうが!」



「あ、うん。
だけど…」



「俺の気が変わらねぇうちにって言っただろう!
お前は唯一俺の顔を見た目撃者なんだぞ!」



それはそうなんだけど、じゃあどうして私を返そうとしてくれるのよ…!


だんだんと表情が険しくなってきた強盗さんは、寝ていた身体を起こして私の肩をグッと掴んできた。