「洗濯か。
確かに、着る服がないと困るな。
そういえば着替えみたいなものは用意してなかったな…」




「…?」



起き上がろうとした強盗さんの様子がおかしかった。

別に毛布につまづいたわけでもないのに、フラついて壁に手をついたのだ。



「どうしたの?」



「…いや、何でもねぇよ」



そう言って強盗さんはまた座り込んだ。



ランプでかざして見たけど、ランプの灯りじゃ強盗さんの顔色まではよくわからない。



「器ぐらいなら探せば出て来るだろうよ。
ま、どーせする事ないんだし、適当に漁ってればいいさ」



そう言って強盗さんは羽織っている毛布をギュッと掴んで身体を縮ませて丸くなった。



「…強盗さん、寒いの?」



「…別に」



そんな事を言っているが、よく見たら小刻みに震えているように見えた。