せっかく眠っているのを起こさないように、ゆっくり身体を動かして強盗さんの毛布から出る。



毛布の割れ目からまず自分が出ると、あったかい空気が逃げないようすぐに振り返って割れ目を合わせる…



「…ひゃっ」



ほんの一瞬、毛布の割れ目から強盗さんの身体が見えた。


何にも身に付けていない私と同じ真っ裸。


初めて生で見ちゃった男性の身体…



「ウソウソ!
なんにも見てないっ!」


わざと見てない振りをして、早く自分のケータイを取りに行った。




パカッと開いて時計を見ると、夕方の17時だった。



「うそぉ。
もうあと少しで1日が終わっちゃいそうだよ…」



今日一日、私何してた?

こんな雨さえ降らなければ、もしかしたら帰れてたかもしれない。


…あ、いや無理かなぁ。

私1人じゃこんな山道、天気が良くったって迷子になってたよね。


強盗さんは道を知ってるかもしれないけど、一緒に来てくれるわけないし。


誰か迎えに来てくれるか、ナビ…


「…ん?」


私はもう一度ケータイ画面を見た。