「…あったかい…」



自分の毛布にくるまり、更に強盗さんの毛布に背を向けるように一緒にくるまった。

するとその暖かさは一気に倍増した。



1人だけだと寒いのに、2人一緒だとこんなにあったかくなれるんだ。



「ごめんね、強盗さん。
私ばっかりあったかくて」



「そんな事ねぇよ。
こっちも十分恩恵を得てるから」



「そっか。ならよかった」





ずっと変わらない雨の勢いと、聞こえてくる音。



それからずっと会話もなく、私と強盗さんは寄り添って暖を取っていた。
















うつら うつら…



雨に打たれた疲労と暖かさが睡魔となって私に襲ってきた。




眠い…



今何時くらいだろう。



返されたケータイは、脱いだ服の横にショルダーバッグと一緒に置いている。



わざわざ取りに行って見る程じゃないかぁ…。



どうせこの雨が止むまでこの中にいなきゃいけないんだし。




…私は、この強烈な眠気に身を任せる事にした…。