私と強盗さんは、お互い背を向けるようにしてずぶ濡れになった服を脱いだ。



こっち…見てないよね…。



何度も振り返りながら私はカーディガンとワンピースを脱ぐ。



雨水だけじゃなく泥汚れまでついてベタベタ。

こんな所じゃ手も洗えないよぉ…。



「オイ!」



「えっ、…わっ」



振り返った私に、強盗さんはペットボトルの水とタオルをポンと投げてよこした。



「それで上手に汚れを取りな。
水は節約しろよ」



そう言うと、強盗さんはまた背を向けて濡れた身体を拭き始めた。



「あ ありが…
って!そういうの脱ぐ前に頂戴よ!」



ぐしょぐしょのワンピースでなるべく身体を隠しながら私は焦って言った。


それに対して強盗さんは、背を向けたまま鼻で笑っていた。



「お前だって見てんじゃんよ」



「………!」



そんなの屁理屈だよー!