「もう少しで着く……ほら、あそこだ」



大雨で視界が悪い中を歩き、ようやくあの小屋が見えてきた。



帰って来れた…!


結局引き戻した事にはかわりないのに、何だろうまるで自分の家にでも帰ってきたかのような感覚だった。



私も強盗さんも頭から身体中ずぶ濡れ。


強盗さんなんか私を負ぶって歩いたからきっと私以上に疲れた筈だ。



本当なら自分のアパートに帰ってあったかいシャワーにかかって、キレイな服に着替えてベッドに入って…。



それが無理だとわかっているけど、でもあのまま今自分のいる場所もわからないような山の中で雨に打たれながら死ぬまで佇んでいるよりは、強盗さんと小屋の中で雨宿り出来る方が断然マシだもんね!





ギィギィと音をたてながら小屋のドアを開けると、私たちは小屋の中に入った。