「3億円を持ったまま…逃げちゃった…?」



「そうだ!3億だぞ3億!
それに対して俺はどうだ?
一銭も手に入らなかったのに強盗犯だ。しかも無駄に人質まで取って誘拐犯でもある!」



無駄に人質…。

それ、私の事だ。



「罪だけ被って何も得ていない。
こんな馬鹿らしい事あると思うか?
ははっ、笑うしかないだろ…?
……………クソォ!!!」



強盗さんは小屋のドアを思い切り拳で殴りつけた。


鈍い音が響き、苔だか砂だかわからないがパラパラと何かが散った。



それから強盗さんは小屋の中に入ると、たくさんの非常食が入った箱を持ち上げて一気に床に叩きつけた。



散らばったパンや箱を蹴り上げ、形が崩れていく。



「や やめて!」



暴れる強盗さんを抑えようと小屋の中に入ろうとするが、縛られた足が動かなくて派手に転んでしまった。


「きゃあっ」