「ククク…そうか、そういう事か…ははっ」



強盗さんは上体を反らしながら笑い出した。


なに?
一体どうしたのよ。


相手は電話に出なかったんでしょ?

何がそういう事なの?



「あはははは…は…
あー馬鹿らしいったらありゃしねぇ!」



「あの…何がどうしたの?」



急な強盗さんの変化に、私は全く意味がわからなかった。



「わかんねぇのかよ。
俺はまんまと南にハメられたんだよ!」



「南…?
その強盗さんはここに向かっているんでしょ?」



ハメられたって何だろう。

一体どういう…



「来ねぇよ!
いつまで待ったってアイツはここには来ねぇんだよ!」



「え、どうして?
だって後から行くって…」


「まだわかんねぇのかお前は!
アイツは現金を持って1人で逃げやがったんだよ!
3億円という大金を独り占めする為にな!!」