でもそのほとぼりが覚めた所で…私は解放してもらえるかしら。



……………期待しない方がいいよね。



足首のロープを外す事も切る事も出来ない。

だけど、少しずつだけど前に進む事は出来るわ。


やっぱりこのまま逃げる事にしよう。

幸い手は自由なわけだし、それだけでもラッキーなのかもしれない。



ゆっくり身をかがめて再び四つん這いになる。



両手

両膝


両手

両膝


ズリズリ這っても、ちまちまとしか前に進めない。


足首を縛られる事で、こんなにも動き辛いなんて思わなかったわ…。






ようやくドアの所までたどり着くと、膝で立ち上がり簡単なカギを外してドアを押した。



ギギィ…



古びた木の擦れるような音がした。


すぐに振り返って強盗さんの方を見たけど、まだ眠っている。


…よかった。
まだ目を覚ましてない。