すやすやと眠っている強盗さんの顔を見ながら、ふと気付いた。



あれ?
もしかして今…逃げるチャンス?



急に胸がざわめいてきた。


私を見張る人は強盗さんこの人だけ。


その強盗さんが眠ってるって事は、私を見張る人がいないって事だ。



…今しかない。


目が覚めてからはずっと見張られるだろうし、次に眠ってくれるのは多分もう夜だ。


それに、もしかしたら南って強盗犯が戻ってきて鉢合わせになっちゃうかもしれないものね。


まだ朝になったばかりだから、陽が暮れるまで当分時間がある。



一か八かで山を降りて助けを呼ぼう。


いつまでここに監禁されるかわからない。


もしかしたら最後は殺されるかもしれないもの。



チャンスは…今しかない!!