強盗さんはくるまった毛布から上半身を出したまま起き上がった。



「…すげぇなお前。
寝てる男を襲う女なんて、なかなかいねぇぞ」



「あ…っ いや…っ その…っ
そんなつもりじゃ…っ」



顔を真っ赤にしながら弁明しようにも、だからってどんなつもりなのかなんて説明出来ないっ。


でも襲うだなんて、そんなんじゃあ…っ




「お前…そんなに俺が好きなのか?」



強盗さんに訊かれ、顔を真っ赤にしながら勢いよくうんうんと何度も頷く。



「俺はお前を誘拐して監禁生活させただけだぞ?」



「…違うよっ。
最初は怖かったけど、強盗さんはとっても優しかったもん…!」



「…襲ったりもしたぞ…」



「でも、やめてくれたもん!」



「………………」



「……………っ」




自分でも、誘拐犯を好きになった事には驚いてる。


だけど、誘拐されたからこそ好きになれた事実には変わりないんだから!