パタンとケータイを閉じると、寝ている強盗さんの方を見た。



私…間違ってるのかな。


だけど…こんなにも好きになっちゃったんだもん。
やっぱり一緒に居たい。


ズコズコと膝で歩きながら強盗さんの側まで近寄ってその顔を覗き込んだ。



…優しい寝顔。


無精ひげが伸びちゃって、スゴいおじさんみたい。


だけど、大好き。




…そっと強盗さんの顔に近付き、息をひそめ目を閉じた。




それから…ゆっくり ゆっくり近付いて…唇を…合わせた。





「………………」





ちょっぴりタバコ臭い、強盗さんの匂い。




唇を離してそっと目を開けると、強盗さんは…目を開けて私を見ていた。




「う、ひゃあぁぁっ!!」




驚いた勢いで、思わずズササーっと1メートルくらい後ずさった。



「…自分でヤっといて何ビビってんだよ」



バレてる!!

バレてる!!



私がキスしちゃったの強盗さんにバレちゃってるよぉ!!