私の横でスウスウと優しい寝息をたてている強盗さん。


多分、自分の顔が世間にバレちゃったなんて正に夢にも思ってもないよね。


警察からは逃げてやるって笑って言ってたけど…世間に顔が知られちゃったら、そうもいかなくなっちゃったよ!


どうするの!?



「……………」



やっぱり、ここでかくまうしかない。


強盗さんを助けようと思うなら、私も人質って事は言わないままにして内緒で強盗さんと暮らすしかないよね。


もしそれもバレちゃったら…私の人生だっておしまい…?



うん、いいの。


強盗さんが捕まっちゃう事を考えたら、まだその方がマシ。


結局お金だって1円も貰ってないんだし、人質の私がいいって言ってるんだから…強盗さんの罪なんて大した事ないよね。


だから…大丈夫。

強盗さんの事は、私が守ってあげるよ。



『犯人は未だに逃走を続けていて、人質の身柄も未だ保護出来ず…』



テレビからニュースはまだ流れていたけど、私はリモコンのボタンを押してチャンネルを変え、残りの野菜ラーメンを一気に平らげた。