「ま、いいや。
何にしても、まずは飯だ。
色々逃げ回ってたせいで、ロクに食ってないからな」



私の話はとりあえず終わったみたいで、南は小屋の中にある食料を物色し始めたようだ。


何だろう。
こんなムカつく奴が仲間だなんて、私だったらスゴくイヤ。


犯罪自体もちろんダメな事なんだけど、でも私だったらもっと相手を思いやれるような人と組みたいわ。


いいとこだけ当たり前な顔で取って、イヤなとこはさり気なく避けるだなんて!


あの南って奴、大っ嫌い!


顔ならさっき尾行した時に何となく見たわ。


あいつだけは帰ったらすぐに警察に言ってやる!


…て、そんな事したら強盗さんも困るのかな。


これからどうしたら…いいんだろう。


今、南に見つかったら私はまた捕まっちゃう。


ううん、殺したって言ってたのに生かして逃がしたってのがバレちゃって、強盗さんの立場さえ悪くしちゃうかもしれない。


折角私を逃がしてくれた強盗さんの為にも、私は…家に帰らなきゃ…。