折半して1億5千万円…。


これを手に入れちゃった強盗さんは…これで本当に強盗になってしまったんだ。


お金さえ得ていなければ、それほど罪にも問われないと思っていたのに…。



「そういやお前、あの人質はどうしたんだ?」



ドキッ


あの人質って…私の事だ…!!


唯一強盗さんの素顔を見た、事件の有力な証人…!



「俺は顔は割れてねぇが、お前は見られたんだろ?
どこにやったんだ?」



南が強盗さんに私の事を訊いている。


私は強盗さんに逃がされたんだ。

…結局戻ってきちゃったんだけどさ。



そんな自分の首を絞めかねない私を逃がしたなんて言ったら、南は強盗さんを許さない筈…!



「まさか…お前殺ったのか?」



「あぁ…、ヤっちまったかな…」



そう返した強盗さん。



…そっか。

強盗さんは私を殺した事に、した…。