心臓が、ドクドクと早打ちしてきてるのが自分でわかった。


銀行強盗で3億円を独り占めしたと思っていた仲間の強盗犯が帰ってきたんだ。

最初に見た時と服が違うからわからなかったな。



てっきり人質の私を押し付けて、お金だけ持って逃げたのだと私も強盗さんも思っていた。


だけど、そうじゃなかったんだ…!



「そうそう、コイツが戦利品だ」



そう言って、ドサッと床に何かを置いた音が聞こえた。


背中に大きなリュックをしょっていたから、多分それだ。



私…警察かと思ってた。


警察と思って、声をかけようかとしてた。


もしあの時、声をかけていたら…私どうなってたかな…。


頭の中で想像して、思わずゾクゾクっと身震いした。




「当初の予定の半分しか盗れなかったな。
まぁ折半しても1億5千万円か。悪くはねぇけど、まあまあだな」



当初の予定の半分で3億…。

て事は、本当なら6億も強盗する気だったんだ。!

銀行って、そんなにお金を持ってるの!?