先を歩く警察官に、こっちは違うって言ってみようか。


でも、じゃあ私は何者かって逆に怪しまれちゃうよね。


多分私の顔は人質として誰も認識はしてないと思う。


住み始めたばかりのよそ者だもん。知った人だっていない。







そう考えているうちにどんどん警察官は先に進み、いよいよ小屋が見えてきてしまった。


まるで小屋までの道を知ってるかのように、まっすぐここまで来ちゃうなんて。

この人、本当に警察官…?




小屋の前に立った男を、私は離れた木の陰に隠れて様子を見ていた。



私は小屋のドアは開けっ放しで出たのに閉まっているって事は、あの後強盗さんが自分で閉めたんだろうな。



「まだ多少は熱があると思う。
大丈夫かな、強盗さん…」





ドアの前に立った男は、まわりに注意を払うと取っ手を持ちギィと音を立ててドアを開けた…!