離れた木の陰からそっと顔を出して見る…。



この山道を歩いて来てるのは30代くらいの男で、背中には大きなリュックを背負っている。


登山…て言うような山道じゃあないし、第一ここは確か立ち入り禁止区域だもんね。


やっぱり変な人かな?


或いは…


警察…?



じっと男が行く方向を陰から見ていると、今私が歩いて来た方へ向かっているようだった。



まさか…強盗さんのいる小屋に向かってる…?



私たちが小屋の中で過ごしている間に警察の捜査は進んでいて、小屋の場所までバレてるんじゃあ…!



今、小屋には熱を出して苦しんでいる強盗さんしかいない。


警察が来てるって、早く教えなきゃ!




…あれ?何考えてるのよ。

銀行強盗犯に警察が来てる事を教えるだなんて。

私ってば、反対でしょ?

警察が来てるんだったら、逆に犯人の居所を教えなきゃ…!