「ただいま~…」


家に着くと、少し低めの声で呟いた。


逃げた理由。

もちろん、
あいつらが嫌いっていうのもあるけど。


“漫画描いてる”
ってこと、誰にも知られたくないし。


「おかえり。ところで、どうして
ポストになんか行ったのよ。」

「…友達に手紙を送ったの。」

「…そう。」


もちろん、
両親にも秘密。



あたし、本当に根暗で臆病で暗くて。

自分で言うのもなんだけど、
皆から嫌われてる。

誰1人、あたしに好意を持つ者はいない。



つまり、友達がいない。
独りぼっちの人間ってわけ。