「彩~、夏休みどっか一緒に行かない?」
「ごめん!夏休みは全部予定入っちゃてるんだ。」
「え~‼一日も空いてないの?」
「うん」
「いったいどうすればそんなハードスケジュールになんだよ~」

明日から夏休み。
皆、彼氏とデートとか友達とお泊まりとかするらしいけど、今の私にはそんなのまったく興味がない。
私は明日、お兄ちゃんに会う。
二年前に離れ離れになった、私のたった一人のお兄ちゃん。
夏休みの40日間だけ、私はお兄ちゃんと生活をする。
私はこの日を二年間ずっと夢見て来た。
でもちょっとだけ
緊張するわぁ…



-プルルルル、、、

誰だよもぉ〜!お兄ちゃんとの幸せな日々の妄想してたのにぃ〜!!
って私極度のお兄ちゃん子みたいじゃん!きもいきもい!

「もしもし〜?」
「あ、俺だけど。」
「申し訳ありませんがあいにくうちには息子はいませんけど」
「オレオレ詐欺じゃねーから。俺。遼!」
「お兄ちゃん!?どうしたの急に!」
「急じゃねーだろ。明日から俺と一緒に旅に出んだろ?」
「旅だなんて大げさな。久しぶりに私に会ってびっくりしないでよ?」
「あまりのキモさにか?」
「あまりの美しさにです!」