刺される!!!





『――大丈夫かい!?』


焦ったような声に、ギュッと瞑っていた目を開けた。



………助かったの…?

僕を心配そうに見るのは…警察の人。


お医者さんじゃない。


「っ……ぐす……」

『もう大丈夫だ……安心しなさい』



警察の人は、僕の頭を優しく撫でてくれた。


この行為で、春佳が脳裏に浮かんだ。



「春佳……は……」

警察の人が立ち上がった時、僕の目には


二人の警察の人に両腕を掴まれて、下を向いている春佳の姿があった。




「春佳……」

名前を呼んだ時、春佳は顔を上げた。


自嘲気味に笑いながら、静かな声で告げた。




「忘れましたか?」


――死体は交換されると


貴方が申されましたのに――