堕天使は一匹だけではなかった。
二匹の堕天使が近づいてきた。
きりがないなと日向は思った。
今度の堕天使は手に槍を持っていた。
堕天使は槍で攻撃してきた。
スサノオで槍の攻撃をよけながら、堕天使を捕まえるのは無理に近かった。
スサノオに武器があればと思っていると、玲子が思念で武器を作るようにアドバイスした。
日向は剣をイメージした。
スサノオの手に剣が現れた。
スサノオが剣で応戦すると、堕天使は遠巻きにした。
堕天使は槍を投げつけた。
スサノオは剣で振り落とした。
堕天使は槍を次々に出して、投げつけてきた。
堕天使の槍がスサノオの右足を貫いた。
日向はスサノオがやられたのと同じ部分に痛みを感じた。
スサノオの動きが鈍り、槍が腹に刺さった。
スサノオは槍に串刺しになった。
日向は余りの痛みにもがいた。
玲子が霊力を送るのをやめるように言ったが、それどころではなかった。
日向は余りの痛みで気を失った。
スサノオは槍に串刺しになっていた。
玲子は日向を抱えながら、何とかその場から逃げようとした。
堕天使がそれを見て槍を投げつけた。
槍が玲子に当たる直前に、それを遮った。
スサノオが勝手に動いていた。
スサノオは体に刺さった槍を堕天使に投げつけた。
堕天使はそれをかわしたが、スサノオは飛び上がって堕天使を掴んだ。
スサノオは上空で堕天使を捕まえると、堕天使の羽を引きちぎった。
堕天使と共に地面に落ちるとその勢いで堕天使の体を膝を立てて二つに割いた。
まだ、上空には堕天使がいたが、勢いをつけて飛び上がって、堕天使にラリアートして首を落とした。
日向との霊糸はつながっていたが、ほとんどスサノオの意思で動いていた。
スサノオは次の相手を探しているようだった。
玲子を見つけると、玲子の体を手で掴んだ。
そのまま、握り締め始めた。
「日向君、止めて」
玲子が言っても止める気配がなかった。
遠くの空に黒い点が近づいてきた。
月島の乗ったドラゴンだった。
月島は手にお札を持っていた。
ドラゴンを急旋回させて、スサノオと日向の間に入ると、霊糸に札を貼った。
月島が叫んだ。
「切断!」
スサノオと日向の霊糸が切れた。
それを見届けて、携帯を取り出して叫んだ。
「バトルフィールドセット」
辺りがゲームの中に入った。
スサノオは驚いたのか、玲子を離した。
スサノオは辺りを見回しながら、バトルフィールドの奥に進んで行った。
月島はバトルフィールドを解除して、現実に戻った。
月島は玲子と気を失っている日向をドラゴンに乗せて運んだ。
月島は神社の中にある建物に連れて行った。
月島は玲子と日向を建物の一室に休ませた。