ドラゴンが態勢を崩して落ちてきた。



地面すれすれで激突は免れた。



『あの性質は、やっかいだな。』



と月島は思った。
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玲子の相手は口から糸を吐く堕天使だった。



「ねえちゃん。

また、俺とやるのか。

今度も繭に閉じ込めてやるぞ」



玲子がクモ男に言った。



「同じ手は食わないわよ。

クモ男め」



クモ男は玲子に向かって糸を吐いた。



玲子はさらりとかわした。



クモ男は玲子が糸をかわすのを構わずそこらに粘った糸を吐き続けた。
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日向は月島と玲子の戦いを見ていた。



堕天使の長が言った。



「人のことを心配している暇があるのかな」



堕天使の長は、体の前で腕を交差させては開きまた交差させながら空間に黒い霧を出し始めた。



黒い霧は日向とスサノオの周りを覆い始めた。
黒い霧に包まれながら、日向は堕天使の長の気配を探ろうとした。



日向の体がだんだん軽くなって、空中に漂い始めた。



日向は無重力状態になり、動揺した。



堕天使の長が言った。



「重力は神が与えた力だ。

無くした気分はどうかな?」



堕天使の長は、魔力でナイフを作ると、宙を漂っている日向に投げつけた。



日向はかわす事が出来ず腕を使ってナイフが胸に刺さるのを防ぐので精一杯だった。
日向はスサノオと一緒に宙に浮いていた。



このまま攻撃を受け続ける訳にはいかない。



スサノオを使って盾になって貰うしかないので、スサノオを近づけようとした。



スサノオは自力で近づいてこれなかった。



日向はスサノオとの間の霊糸を引っ張った。



スサノオが少しずつ近づいてきた。

堕天使の長が次々とナイフを使って、日向に投げつけた。



日向は急所に当たらないように腕を使って、ナイフを受け続けた。



しかし、それも限界になり体の至る所にナイフが刺さった。


堕天使の長は魔力を弱めて重力を消した。



日向は地面に落ちた。
堕天使の長は言った。



「いくら、スサノオが強くても、霊媒がやられたら後は怖くないですね」




日向はスサノオに抱えて貰って逃げようとした。



堕天使の長がまた魔力を使って重力を消した。



日向とスサノオは宙に浮いた。



堕天使の長は笑いながら


「逃げようとしても無駄だぜ。

これで終わりにしてやる」


と、霊気のナイフを投げつけてきた。



日向はスサノオを盾にして、ナイフをよけた。
堕天使の長が言った。



「スサノオがどこまで耐えられますかな」



堕天使の長はナイフを次々に投げつけてきた。



日向はスサノオを自らの体内に入れた。



「ついに、諦めたか!」



堕天使の長が言い終わるのと同時に、日向は霊気を堕天使の長に向かって放出した。



日向はその反動で、無重力圏を脱出した。
日向は、地面に着くと、堕天使の長に一気に間合いを詰めて、顔にパンチを入れた。



堕天使の長はぶっ飛ばされて壁にぶち当たった。