医者からの言葉を聞いたとき


嬉しくて
悲しくて




へんな涙が出た





医者さんは

お年寄りの男性で
主に手術を担当している方で___





『放射線治療をしていて
進行は遅くはなってますが

消えてはいません


もう腫瘍も大きくなってきたので

手術を考えています

自分の意志で決めてください


手術するとしたら
5月か6月ぐらいです』



一気にたくさんの事を言われた








『はい
そうですか…』



やっぱり

あんまり効いてなかったのか



細くなった手を見つめる




指で
手術までの月を数える


1…2…3………


あれ?

私の余命って6月_
手術も5、6月_


不安が
のしかかる





ギュッと力をこめる







『あの
手術の月と余命の月が
同じなんですけど

大丈夫ですか』




医者は
顔を拒めた
いかにも



(やっぱり聞かれると思った)
とでも言うのかのように





『そこで
花音さんにもう一つお話しがあるんです

手術前に
花音さんの好きなところに連れて行こうと

考えてます



故郷を離れて
から1回も帰ってないですよね


なので
連れて行こうと思います』



『どうですか?
考えておいてください』