ガチャン_


食べる気すらなくなってくる



「病気ってこんなに辛いのか」



暴力を奮われたときより
優くんに想いを寄せていた時より




ずっと


辛い
苦しい



「はぁ・・・」






暴力より
想いより
辛いのは



 『愛』



がないから



暴力でも
ちゃんと父親から愛は
もらっていた
素直になれなかっただけ



優くんからも
優くんにも
愛をもらったし
愛をあげた




けど
病気には

『愛』がない


だから苦しいのだろう








目を閉じると
思い浮かぶのは優くん




苦しさから
逃げるために


優くんが出てくる



「頑張れ」


その一言がほしかった
言ってほしかった




想像の中の優くんは言ってくれた


だけど


目を開けると

優くんはいない




辛い
苦しい



その逃げ場は
いつしか
優くんになっていた


「優くん」