坂を上っている途中から、聖火校の生徒がちらほら見え始めた。

ここで俺と同じくせっせと坂を上っている聖火校の生徒ほとんどが、俺と同じように今日から聖火校に入学する新一年生だろう。

中には俺のことに気づき、
「あいつマジヤンの柴田じゃね?」
だのコソコソ話していたが、俺はそれを一睨みして黙らせる。

たく、ここにまで俺の噂は流れてんのかよ…




坂を上り続けて数分。やっと大きな学園が見えてきた。

私立聖火学園。

俺はこの学校で、中学校時代のような腐った学校生活は送りたくねぇ。そう思う自分がいた。



「おい、あれマジヤンの柴田だよな?」
「マジだ!あいつ聖火校なのかよ!」
「しかも二組だってよ。」
「うそ〜」
「怖い人と一緒になっちゃったなぁ…」


……………。
俺に気づいた奴らが陰口になってない声量でこちらを見ながらコソコソ話している。

くそムカつくやろうどもが…。
「なに見てんだ?てめぇら…」
『ヒィイ!』
ギロッと周りを睨むと、そいつらは面白いほどビビりながらスタスタと逃げていった。
喧嘩売る覚悟もねぇくせにわざとらしく陰口たたいてんじゃねっての。