「じゃあ分かったわ!」
唐突に、夜佐神と並んで俺を説得していた香川が名案を思いついたとばかりに、手をパンと叩くと
「受けてくれたら、今度の週末、綾乃とデートできる権利をあげよう!」
「え、わ、私!?」
香川の急な提案に、夜佐神が驚きながら香川に聞き返す。
夜佐神の問いに香川は笑顔でうなずき、
「そう!ナイスアイディアでしょ!?」
「いやいやいや!」
夜佐神はなぜか顔を赤くし、珍しく取り乱しながら
「何で私なの!?そういうのはふつう自分がやるもんじゃないの!?」
「だって綾乃の方が可愛いし、柴田君のハートをキャッチできるのは綾乃しかいないじゃない。」
「なに言ってるの!だったら沙織だって相当可愛いし、沙織でいいじゃん!」
「あら?綾乃照れてる?顔赤いけれど」
「へ!?」
香川に指摘され、綾乃はすっとんきょうな声を出しながら自分の顔を触って確かめる。
「初々しいわよ、綾乃♪」
「な、な、な……!?」
夜佐神の顔がよけいに赤くなっていく。
日常であまりからかわれたことがないのか、よけいに顔が赤くなっていく。
というか、ちゃっかり香川の本性が垣間見られたのは気がする。
「というわけで綾乃、週末はどんな服装で行くの?」
「もう私が行くこと前提なの!?ぜったい沙織の方が可愛いってぇ!」
「あらら、柴田君とデートするの、嫌?」
「い、嫌とかじゃなくて…その…」