「ね、ねぇあれ、うちの制服じゃない?」
「本当だ!さっき不良と喧嘩してたよね。」
「えぇやだぁ。今年の一年生あんな怖いの入ってくるのぉ?」


聖火校の生徒だと思われる女子生徒二人がこちらを見ながらコソコソ話して、俺の横を横切った。

他にも、同じ聖火校の男子生徒がこちらを怯えた目で見ながら去っていく。


あ〜…こんなことばっかやってるからマジヤンだなんて呼ばれるんだよな…

「あ〜、やってらんねぇなぁ、もう…」
俺はガキのようにぶつぶつ言いながら仕方なく学校目指して歩き始めた。


今日から俺の通うこの『私立聖火学園』は、中高一貫で、さほど名門と呼ぶにはほど遠い、ただのでかい学校だ。
昔は私立のくせしてけっこう荒れてたっていうし、生徒が暴力事件を起こしたって言う話もよく聞く。


だが、私立はこの街じゃこのあたりにしかないのか、優等生も多数存在するらしい。