こういう笑みを向けられるのは、なんだか苦手だ。
照れるというのと違うようで似てる感情かもしれない。


「そうかぁ…沖縄と北海道が接戦してるのか…」

香川が黒板に書かれている人気投票の現状況を確認しながらつぶやく。

その様子を見た夜佐神が首を傾げ、



「ちなみに沙織はどこに投票したの?」


その問いに、香川は当たり前のように答えた。



「え?バンクーバー。」

『おまえが犯人かよ!!』

まさかの夜佐神、木下、そして俺の声が見事に重なった。
俺もさすがに叫ばずにいれなかった。


香川は「え?え?」と動揺しているが、構わず俺は呆れるように頭を抱え、


「んじゃ…………沖縄でいいや……」


そのあとに涙目で駄々をこねる木下が、果てしなくうざかった。



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