周りを見渡してみると、確かにみんな修学旅行の行き先を討論し合ってた。
そしてあがった意見が黒板に書かれていく。
今のところ一番人気は沖縄。
だが北海道も負けてはおらず、数人の意見が勝敗を分けるような状況だ。
この状況に興奮しているらしい夜佐神は、俺の机をバンッと叩き、
「柴田君!君の意見が世界を変えるんだよ!」
「修学旅行の行き先が決まっただけで、世界がどう変わっちゃうんだよ。」
そう呆れながら答える。
クラス委員長なら、もう少し冷静になってほしい。
しかし夜佐神は納得がいかないようで、
「柴田君のせいで修学旅行の行き先がバンクーバーになってもいいの!?」
夜佐神に促され、黒板をよく見てみると、挙がっている行き先の中には『バンクーバー』までが挙がってやがる。
「マジだ……て、1人しか投票されてないじゃねぇか!」
「世の中何が起こるか分からないんだよ!?」
「仮に何かが起こって行き先がバンクーバーになっても、それは俺のせいじゃねぇよ!」
そう叫んでいると、今度は同じく興奮状態の木下がグッと近づいてくる。
「なぁ、男はやっぱスキーだろ!白銀に輝くゲレンデを二人で滑りおりようぜ!!」
「お前と一緒にスキーするぐらいなら、沖縄でサメに食われた方がまだマシだわ。」
そもそもこいつはスキー出来るのか?
そこからまず怪しい。
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