とうとう耐えきれなくなった俺は、怒鳴りつつも自分の机をバンッと叩きながら寝ていた体を起こし、


「あんたら、人の座席の前でなにギャーギャー討論してんだよ!



しかし、まるで聞く耳を持たない夜佐神は、むくれるように顔を膨らまし、


「ねぇ、柴田君はどっちがいいと思う!?沖縄なわと北海道!」

「もちろん北海道だよな?な?」


夜佐神と木下が俺の質問にもいっさい耳を貸さず、ズンズンと迫ってくる。


「何の話だよ!てか俺今寝てたよな!?寝てる奴の前で大声で言い合ってんじゃねぇよ!
よそでやってくれ!なんでわざわざ俺の席でやるんだよ!」


再び怒鳴ってやる。

すると夜佐神と木下は、笑顔で声をそろえていった。


『だって友達じゃん。』

「てめーら…………」


何か言い返してやろうと思ったが、こいつらのあまりの脳天気さに呆れて言葉もでない。


俺は、「はぁ…」と深くため息をつき、ダルそうに頬杖をついた。





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