「だから、柴田君も、絶対変われるから。私でさえこんな脳天気な子になれたんだから。
柴田君、本当は絶対優しいもん。」


夜佐神の言葉に、俺は口を閉ざした。
頭の中で、夜佐神の『絶対変われる』という言葉が、何度も繰り返される。
それから数秒黙り込んでから、

「お前に何がわかんだよ。」

そう、意地悪に吐き捨てた。
そして、ゆっくりと座りっぱなしでダルくなった腰を上げて、数歩だけ歩き、足を止める。

そして前を向いたまま、言った


「でも、サンキュな…」
「……えへへ…。」


夜佐神の小さな笑い声が、かすかに聞こえた。





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