「だって、柴田君がクラスメイトと話してるところなんて見たことないもん。授業中も寝てばっかだし…。」

夜佐神は体育座りのように両足を抱え込みながら、寂しそうに言った。


その言葉に、思わず鼻で笑いそうになる。


「おいおい、お前も俺のこと聞いてんだろ。俺が話しかけたら、あいつら悲鳴上げながら逃げてくぞ。」


「……柴田君がマジヤンって呼ばれるほどの不良だってこと?」


夜佐神が確かめるように言う。

「知ってんじゃねぇか。」


俺はつまらなそうに吐き捨てた。

あんだけクラス中で俺のことが話題になってたら、嫌でも知れ渡るよな。
この真面目そうなクラス委員長様が知ってたって何ら不思議じゃない。



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