その美少女は、ニパァッと明るい笑顔を浮かべたまま、手に持ってた小包を見せて、

「一緒にお昼食べようよ!」

その言葉に、思わず呆然とする。その様子が気になったのか、少女は「どうしたの?」と、軽く頭を傾げて尋ねてきた。


「え……と…」

俺は後頭部に手をやりながら、率直に尋ねた。


「誰だっけ?」

「どわっ!」

少女はなぜかギャグマンガのようにズゴッとずっこけた。

「私だよ!?同じクラスじゃん。」

「あ〜!………」

俺は思い出したような素振りを見せつつも、頭の中でクラスメイトの顔を思い出す。

まず木下。


………

「もしかして、本当に私の名前……忘れてる?」
「は、忘れる訳ないだろ。あれだろ?山田太郎だろ?」

「違うよ!適当にもほどがあるでしょ!てかそれ女の名前じゃないし!」