しかし、俺は眠いが故に全く気にしなかった。

どうせ聞き間違いだ。
構わず目を閉じ続ける。

「柴田くーん。」


再び後方から声が聞こえてきた。

聞き覚えのない声だ。声の高さからして明らかに女子だろう。

つっても、俺に声をかける勇気のある女子なんているのか?
大野じゃあるまいし。


「おーい!」


しつこっ。
こんだけシカトしてんだから、少しは察してくれよ。


「……あ?」

しょうがないので、眠気でいつも以上に重い瞼を開けて上を見上げた。


今まで目をつぶってたからか、射し込んでる太陽の光がいっそう眩しい。