俺は両手をポケットに突っ込んで、前を見たまま話を続けた。


「確かにそんなこと、俺に言ったところで何も変わらないだろうな。

だったらお前自身が変わるしかないだろ。」


「え……」

大野は驚いた様子で目を見開く。


「このまま何もしなかったらお前はずっと暴君のまんまだぜ?」



「そ、そんな簡単に言わないでよ!」

大野の声に、俺はチラリと大野の方を向く。
大野は納得できないといった様子で叫んだ。


「そう簡単じゃないから悩んでるんじゃない!私だってこんな自分やだよ!
でも…変わるって言っても何をしたらいいのかわからない…
だからずっと……こんなままで……」