あ〜あ〜……

なぁんで被害者の俺が、入学初日に職員室に連れて行かれなきゃいけないのかなぁ。


ズカズカと前を歩く体育教師の後を、仕方なくついて行きながら心の中で呟く。


教師に連行されてる俺を見て、何事かと生徒たちが見てくる。


「何見てんだてめぇら!」

その視線が余りにもうざかったので、怒鳴ってやった。案の定生徒たちは「キャア!」と悲鳴を上げながら逃げていくが、

ゴヅン!

「いで!」

「生徒を脅すんじゃない!」


今度は俺が体育教師に殴られる羽目になった。


それからしばらくたって、ようやく職員室前についた。

ガラス張りのケースに、トロフィーだの盾だのが飾られてて、この学校の部活動の盛んさが伺える。



だが、そんなことよりも俺は、その職員室の前で暇そうに立っているそいつの姿を見て、思わず固まってしまった。


そいつも体育教師に連れてこられた俺を見るなり、

『あっ』


偶然とお互い声が重なった。