入ってきたのは(いや、ここは屋上だから出てきた、ていう表現の方が正しいかな?)、俺と同じぐらいの身長で、ガッチリとした柄の悪そうな男と、二人のチャラチャラした男だった。


ガッチリした男は俺らを見るなり、


「あ?おいおい、なんで俺らの場所に先客がいんだ?」

俺と木下を交互に見ながら言ってきた。

俺はその視線に応えるように睨み返す。

見たところ三年生らしい。


「荒山さん、こいつら今日入学した一年っすよ。」

ガッチリ男、荒山とかいうらしいが、そいつの一歩後ろで手下みたいについている二人の男のうち右の男が言った。


荒山は「ほお…」と興味深そうににやける。
すると今度は左にいる荒山の手下その2が、脅すような形相でこちらを睨み、



「おいてめぇら、ここは聖火校のボス、荒山さんのシマだ。
死にたくなきゃとっとと失せろ!」


なんか今日はやけにいろんな奴から喧嘩売られるな。
今の言葉で木下は俺の背後に隠れてるし、たく、やってらんねぇな…


だが俺はそこらへんのチンピラのように相手に乗せられるのではなく、あくまで冷静に対処した。

満面の笑みというのだろう。
俺は睨み合うのをやめ、ニッと笑顔を浮かべ、



「荒山君、俺たちが最初にここにいたんだよ?
だから諦めてくれるかな?」


「てめ……」

今の言葉に腹を立てた手下1が俺に殴りかかろうとするのを、荒山は左手で阻止した。

そして余裕の表情で俺を見下ろし、