「え?」

俺の言葉に、木下がこちらに振り向く。

俺は柵に両肘をかけたまま、青空に浮いているちぎれ雲を睨みつけながら続ける。


「あいつだけはぜってぇぶっ飛ばす。女だろうがなんだろうが関係ねぇ。
売られた喧嘩は買ってやる。」


「………」


木下は黙ったままだった。
こいつは見るからに不良ってかんじじゃねえし、色々思うことがあるのかもしれない。

木下に俺のことなんて理解できるとは思えないけど。

「…じゃあさ−−−」

木下が何か言おうとした瞬間、



ガチャン。

『!?』


急に屋上のドアが開いた。