「てめぇ、覚悟はあんだろぉな?」
ゆっくり立ち上がると、俺は目の前にいる赤髪女を見下ろして言った。

俺の身長は182センチだ、赤髪女よりはるかにでかい。



しかし赤髪女は俺を未だしらけた目で睨み、


「暴力でも振るう気?まぁあんたみたいな奴が話し合いなんてできるはずがないもんね。
そういうところがガキだって言ってるのよ。」


ペキベキッ!

再びこめかみあたりの血管が音を鳴らす。

「おい、やべぇんじゃねぇのこれ…」
「だったらお前が止めろよ。」
「やだよ、入学初日に死にたかねぇって。」

周りの野次馬のざわめきも、俺の耳にはうまく入ってこない。

俺は赤髪女を睨み続けながら言う。


「てめぇさぁ、もしかして女だから手出されないと思って調子乗ってねぇか?」

「は?」

眉をしかめる赤髪女に、俺は続ける。

「正当防衛だよ。手めぇから最初に手ぇだしたんだ。分かってるよなぁ?」

右手をパキパキ鳴らしながら言う。

正直正当防衛の詳しい決まりとかはちっとも知らないが、
俺は目の前にいるこいつをぶっ飛ばすことしか考えていなかった。