…ようとしたときだ
ちょうど俺の視界の端から消えた瞬間…

「どりゃああ!!」

バゴォォッ!

「ふっ!?」
荒々しい怒声とともに、俺の頭部に何かがすごい勢いで直撃した。

あまりの衝撃に思わず視界がフラッシュバックする。

ドサッ
そのまま俺は壁にぶつかってしりもちをついた。一瞬なにが起きたか全くわからなかったが、要するにさっきの赤髪の女子が、俺の横を横切ろうとした瞬間、抱えていた巨大なダンボールで俺の頭部を思いっきり殴ったらしい。

「てっめ…!」

頭を抑えながらそいつを見上げると、その赤髪女はダンボールをそこらへんに落として、俺を見下ろし、言った。


「あんたみたいなの、不良、とかいうんでしょ?何かあったわけでもないのにグレて、カッコつけてるつもりなの?ダッサ。ていうかキモイよあんた。もう高校生なんだから大人になろうよ。変な菌が移るから金輪際私の半径五メートル以内に近づかないでね。」
言葉が出ない…
なんだこいつ…!
なんで知りもしないてめぇにそこまで言われなきゃならねぇ?

こいつ…殺す!

俺の怒りメーターは、もう臨界点を突破した。