私達は人気の少ない一本道へ出た。
コートを着ていても体が冷えた。

「寒くない?」

「全然大丈夫です」

葉山さんは私の手を握りしめ私にマフラーまで巻いてくれた
葉山さんの手は大きく暖かかった。

そうだ、プレゼント今渡そう!

「あの、これよければ食べて下さい」

「これ僕に?わざわざ作ってくれたの?」

「美味しいかはわかりませんが」

見たところ喜んでもらえた。

「ありがとう」

チュッ

「……………………」

葉山さんの唇が私の頬に触れた。
まさかほっぺにキスされるなんて思わなかった。
葉山さんにしてみれば軽い挨拶の変わりの
キスなのかも知れないが私にとっては
これが17年間生きてきて初のキスだった。