「君が彼女役の子?」

高岡遊星は私には気づいてない。

「あ、は は は はい!」

私は返事に詰まらせながら返事をした。

「ぱっとしない子だな、まぁよろしく」

私の初恋の人はもっと優しかった。
本当に私の初恋の相手なのだろうか?
そう不安になっていった。

"水島さーん、そこは悲しそうな顔でお願いしまーす"

これでテイク15だ。
私にはやっぱり俳優は向いてないのかも知れない、そう思った時

「力抜いて、気楽にいこうよ」

遊星は私の肩をポンポンと叩きながら言った。
私はこの時、あの時の初恋の人だと少しは思った。

"水島さん、後半から絶好調だね"

そう監督は私に伝えた。
やっぱり演技は楽しい、人探しの為だけに演技するなんて勿体ない。
と私は思いこれから演技の勉強に育むのだった。