ガチャ

「ただいまー!」

おじさんとおばさんが京都から帰ってきた。
いよいよこの話をする時がきた。
私はどう話をしようか一日中悩んだ。

「お帰りなさい」

私は元気よく挨拶をする。
おじさん達は私に気を使ってあの話題には触れてこなかった。

「お土産買ってきたよ」

「これが園子ちゃんの、そしてこっちが隼人の」

蒼色の玉のストラップ。
隼人は紫色、皆お揃いの物だった。
夕飯には京都名物のお漬け物がいっぱい並べられた。

「あのー、話なんだけど…」

皆との会話を割り切って私が話始めた。
皆の箸が止まり一気に視線が集まった。

「私一人暮らししようと思うんです…」

皆は黙って最後まで私の話に耳をかたむけてくれた。

「ずっとこの家にいるわけにはいかないし、本当にお世話になりっぱなしで急な話なんですが」

するとおじさんが口を開いた

「園子ちゃんの言う事もわかるんだがやっぱり心配なんだよ。だけど園子ちゃんが決めた事だから私は何も言う権利ないから」

おじさんは涙ぐみながら話してくれた。
おばさんも泣きながら同意してくれた。
ただ隼人だけは終始無言だった。

「本当に私の我が儘でごめんなさい。そして14年間ありがとうございました」

「こちらこそ、それでいつの予定なんだい?」

まだ何も決めてなかったが早めの方が良かったので

「明日くらいには出ようかな?と思ってます」

まだ行くあてなんて無いが、とりあえず明日に決めた。