私はあの日を境に隼人が私への対応に少しばかりだが優しさを感じた。

「あ、ありがとう」

私は隼人の肩と肩を密着させ新宿まで向かった。
いつもなら時間が過ぎるのは早く感じたが今日は違った。
隼人とはお互いの吐息がわかるくらいの近さで
私は緊張して今にも心臓が飛び出しそうになった。

"新宿 新宿お降りのお客様は…"

「ほら、着いたぞ!」

私は隼人に連れられ電車から降りた。
ホームでお互い別れ私は優里と京子と学校へ向かった。

「ねー、昨日テレビ見た?」

「見た見た!LUCIFER出てたね」

話題はやっぱりLUCIFERだ。
学校中がこの話題で持ちきりだった。
教室に入ると、皆がLUCIFERについて話していた。

「これってLUCIFERが表紙の今日発売の雑誌じゃない?」

一つの机に沢山の女子が囲み夢中になって話している。

「私はやっぱり長谷幸樹かなぁ?あのドラムスティックをクルクル回して超クールじゃない?」

「えー!絶対に長山龍一だって。ベースひいてる時の横顔が超好みなんだ!」

長谷幸樹も長山龍一も凄い人気だったが一番はやっぱり佐久間蓮。
整った顔にすらっとした長い脚。
誰もが蓮のルックスに惚れていた。

「園子は3人の中で誰がタイプ?」

京子が私に聞いてきた。

「うーん、やっぱり佐久間蓮かな?」

と答えると京子が

「へー、園子ってこういうのがタイプなんだぁ」

佐久間蓮は私のタイプとは違って明らかにナルシスト。
けど何故か私は彼の目に惹かれた。