私は心配だったがリビングでテレビを見始めた。
テレビを付けると生放送の音楽番組がやっていた。

「この人かっこいいなぁ」

私が釘付けになったのは先月デビューしたばかりのバンドグループの佐久間蓮だ。
佐久間蓮はLUCIFERのボーカル兼リーダーで私と同い年。

「私と同い年なのにすっごい大人っぽい」

私が蓮に見とれていると

「肉じゃができたぞ!」

そう隼人が私を呼んだ。
そこにあった肉じゃがは見た目は全然大丈夫。
残りは味が問題だよね、と思いながら…。

「うわー!見た目全然綺麗じゃん」

私が誉めると隼人は鼻で笑いその場を流した。

「いっただっきまーす」

私が肉じゃがを一口。

「…。」

隼人が心配そうな顔で私を見る。

「隼人…、いったい砂糖何杯入れたの?」

隼人の肉じゃがは綿菓子みたいに甘かった。
人参にも芯まで火が通ってなく固かった。
隼人の顔は一気に曇っていった。

「砂糖…、一箱…。」

「それ入れすぎだよ!」

次に隼人が一口食べると思わずトイレに駆け込んだ。
トイレから戻ってきた隼人が

「まずい、これは全部処分しよう」

隼人は自分の肉じゃがを下げたが私は食べ続けた。
せっかくの肉じゃがを捨てるのが勿体なかった。
隼人は無理はしなくていいと言ったが私は間食した。