「あーだるいらっしゃいませー」
本音がこぼれかけたところでOLさんが入店。
同僚がクスクス笑ってる。
くたばれ。
コンビニの深夜なんて、そう人は来ない。
おまけに半田と一緒だ。
「半田ぁ、笑ってんなよー。」
「しーっ、お客さんいるから」
そう言いつつも半笑いだ。
「すいません」
「あ、はい。」
早く休みたい。とりあえず早くすませようと手を動かす。
リズムよくピッピッと音が鳴る。
「1245円になります」
「755円のお返しです」
「どうも。」
短い言葉を残して彼女はスタスタと歩いて行った。
「美人だったじゃん。」
半田がニヤニヤしてやがる。
「ゴム買ってったよ。」
「どんまーい、好みだったでしょ?」
「まぁね。極薄だったな。」
「あはは、ざまぁー」
くそだ。
「あ、お客さん」
「いらっしゃいませー…っていねえじゃん。」
「ざまぁー」
「やりやがったな!」
こんな深夜がなんだかんだ好きだ。
「瀬田一くん?半田智くん?」
「うわ、店長。」
声をあげたのは半田だ。
俺はこんな自殺行為しない。
「うわ、って何よ、半田?」
こんな深夜がなんだかんだ好きだ。
店長が穏やかだったらもっと。
「あがりいつでしたっけ?」
「朝9時よ。」
「どうも」
「青年よ、働け。」
適当に返事をする。
大学、午前だったな。
つらー。
*